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道守随想

【vol.6】 デコボコ道だから人生は楽しい 道守は嬉しく楽しい自然保護

イルカ

 人生はでこぼこ道ですね。そんな歌を作ったことがあります。平坦な道が続いたことはない。うれしいこともいっぱいあったし、つらいこともいっぱいあったから、よけいに幸せに感じられたのかな。人生の分岐点にさしかかると「こっちの道」という心の声を感じます。陶芸家志望がフォークソングの道へ。何で?と思うこともあったけど、その結果が今の私。イルカ
 片道30分。歩けるけれど歩くと遠い。幼いころのお使い道が中学・高校、大学の途中までの約7年間、私の通学路でした。歩いて通いました。知っている人に会うと恥ずかしい。声なんかかけられちゃったら、もうどうしていいか分からない。目立たないようにお店の反対側をトトトッと足早に。あの年頃は何もかも恥ずかしかった。通りは健在で、今はその思い出が楽しい。
 高校時代、週3日はカバンとギターケースを両手に下げて往復。「重かった」記憶が不思議にない。「あの歌好きだからもう一回聴かせて」。自分が作った歌を友達に聞いてもらえるのがすごくうれしかった。
 大分県佐伯市宇目の緑豊中学校の校歌作曲の話を南こうせつさんにいただいて、迷った挙句、四季折々9回ほど訪ね、1年かけて作りました。初めて宇目を訪れた日は雨。しとしと雨で、ちょうど萌えだした緑がすごくきれい。宇目の道をたくさん歩きました。水と空気がおいしいから、お米や作物がおいしいんですよ。風土にあった自然の美しさを感じました。校歌「竹の海」は、いまもコンサートでときどき歌います。
 イルカ今、私はIUCN(国際自然保護連合)の親善大使を務めています。世界中のさまざま活動や人々に出会います。私の活動は主婦の目線です。道をきれいにする道守活動はごく身近な地球保護活動ですね。コンサートでいろいろな街を旅していると街並や道からも人の心が感じられます。この街の人たちは心穏やかに過ごしているんだなぁ、もうちょっと緑が増えたら心が和むんじゃないかなあ、と。
 インドネシアのバリ島の子供たちは朝起きて家の周りを掃除して、箒を持って学校へ。学校でも掃除。「家の周りをきれいにすれば福がくる」「玄関の周りをきれいに」―明治生まれの義母に言われました。せめて靴を揃えるだけでも。まず自分から、家族から、街から。大人から。身近なことから出発、その姿が大切だと思います。
 家の周りを、道を、町を、地球を美しくすれば、うれしいことや楽しいことにつながって、多くの人と和やかな気分を分かち合えそう。道守のみなさん、ありがとう。

イルカプロフィール
東京生まれ。74年ソロデビュー。翌年『なごり雪』が大ヒット。現在もコンサート活動を中心に毎年全国ツアーを続けている。大分県佐伯市宇目の緑豊中学校校歌「竹の海」を作詞・作曲。04年7月IUCN国際自然保護連合の親善大使に就任。たくさんの人々へ地球環境保護を呼びかけている。

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