九州は8ルート
「日本風景街道(シーニックバイウェイジャパン)」のモデルルート公募(応募期間1月20日〜3月31日)に、全国各地から72ルートの応募があった。九州地域からの応募は8ルート。4月15・16日には「日本風景街道戦略会議」(委員長・奥田碩日本経団連名誉会長)の委員による「阿蘇くじゅう・やまなみ」ルートの視察もあった。
国土交通省は、応募のあった各ルートには多様な個性や取り組みがあることから、20ルート程度をモデルルートとする当初の予定を変更。72ルート全てを支援していくことにした。
歴史の道、景観の道、手づくりの道 多彩な“道”全てに脚光
日本風景街道モデルルートの公募には、沿道の景色が美しく、活発な地域活動の舞台となっている道路、世界遺産登録の熊野古道など古くからの街道ルート、地域の枠を越えて景観美化に取り組むルート、ユニークな名前の手づくり感あるルートなど、多種多彩な”道“が出そろった。
道守九州会議では公募期間中、九州地方整備局などと共催で、シーニックバイウェイについての勉強会を九州各地で開催するなどモデルルート応募の後押しをしてきた(前号参照)。今回、九州地域からは次の8ルートが名乗りをあげた。
「唐津街道原町」、「(仮称)北九州”ゆっくりかいどう“」、「蒲江・北浦大漁海道」、「日南海岸きらめきライン」、「阿蘇くじゅう・やまなみ」、「(仮称)玄界灘風景街道」、「ながさきサンセット・オーシャンロード」、「錦江湾あったまるーと」
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自然、歴史、文化、風景などをテーマに「訪れる人」と「迎える地域」の豊かな交流による地域コミュニティの再生を目指した美しい道路空間の形成、という新しい視点で、地域住民・利用者・行政・企業・NPOなどが一体となり、地域の沿道景観や自然環境の保全・整備に取り組む活動。昨年12月に「日本風景街道戦略会議」が発足した。 |
日本風景街道ホームページ |
日本風景街道戦略会議 ワーキンググループ設置
日本風景街道戦略会議では、日本風景街道の理念・仕組み・制度などの検討を行うためのワーキンググループを設置。5月31日に初回会合を開催した。道守九州会議副代表世話人の玉川孝道西日本新聞社副社長が地方からの唯一のメンバーとして参加。
今後、ワーキンググループでは、主要な応募ルートにおいて、その活動内容等について現地視察・ヒアリングなどを行い、制度設計などに役立てていくことにしている。九州での現地視察は、夏から秋にかけて順次行われる見通し。現在、「日南海岸きらめきライン」、「錦江湾あったまるーと(仮称)」、「(仮称)玄界灘風景街道」、「ながさきサンセット・オーシャンロード」の4つのルートが、対象として予定されている。
「阿蘇くじゅう・やまなみ」ルートを視察 景観や地域づくり、道守活動者などと交流
モデルルート選考に先がけて、4月15・16日の2日間、「日本風景街道戦略会議」の中村良夫副委員長(東京工業大名誉教授)、俳優の柳生博さん(日本野鳥の会会長)、コシノジュンコさん(ファッションデザイナー)ら15名の戦略会議委員が九州からの応募ルートの一つである「阿蘇くじゅう・やまなみ」ルートの視察に訪れ、ルート沿線の自然や景観、地域づくりや道守活動などとふれあった。
15日はあいにくの雨の中、大分県杵築市の城下町、由布市湯布院町を視察。広瀬勝貞大分県知事や潮谷義子熊本県知事、地元関係者を交えたディスカッションでは「地域間の連携でこだわりを点から線、線から面に広げることが必要」「行政と民間のパートナーシップをより密に」など多くの意見が出た。16日は熊本県の小国町や阿蘇地域を巡り、黒川温泉や大観峰、草千里を視察。「鳥のさえずりに心が揺さぶられた」(柳生氏)、「阿蘇には人工的な色がなく、色が整理されている。ダイナミックで男性的な力強さがある」(コシノ氏)などの感想があがった。
シーニックバイウェイとは?
シーニックは景色、バイウェイは脇道・寄り道の意味で、米国で1989年から新しい観光施策としてスタートした。行政・住民・利用者・NPO・企業などが一体となって沿道景観や自然・文化財・歴史保全などに取り組む。日本では、2003年から北海道で試みが始まり、3つの指定ルート及び2つの候補ルートにおいて環境保全や地域づくり、観光振興など多彩な活動を連携しながら進めている。