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私の好きな道
【vol.15】 道が教えてくれた人生の歩き方 小野泉水公園の道(熊本県鹿本郡植木町)
工藤 明美
日本一のスイカの名産地を誇る熊本県植木町。その中心部から国道3号と国道208号の2つに分かれる。そこから北上し、植木町役場前を東へ約2.5km進んだところに、私の好きな小野泉水公園の道がある。 「花の色は うつりにけりな いたずらに わが身世にふる ながめせしまに」 小野泉水公園は、平安時代の女流歌人、また絶世の美女として名高い、小野小町の生誕地として知られている。伝説によると、出羽郡司(郡の政務にあたった地方官)であった父・小野良美が、養父の犯した罪でこの地へ流罪となる。その次女である小町は、この泉水を産湯に使ったと言い伝えられている。 巨大な鯉が泳ぐ泉水の道を右に歩くと、正院眼鏡橋がある。安政3年(1856)に近くの正院川に架橋されたが、河川改修で昭和51年(197 6)に小野泉水公園に移転、復元された。車道から眺めるとおつなものである。 公園に連なる里山も魅力である。里山へは、七国神社の階段を上がる道と、国道3号からJA植木基幹所の前を通り、泗水方面に向かう道のり約1.5 kmの2つの道がある。 里山には鬼のいわや≠ニいう小さな古墳がある。しかし、周辺のみかん畑跡地の丘陵地は放置され、雑草だらけになっていた。私たちは泉水の清流を再生するために、近くの山東小の子供たちと植林を行った。「未来に残す緑の財産は、水の涵養と地球温暖化防止に役立つ」と信じて立ち上げたこの企画は、熊本県の「平成15年度地域の夢大賞」を受賞。私たちは、この場所を「ウイングの杜」と命名した。 私は、植木町に住んで14年目になる。30歳前後に生死をさまよう大病を経験した。それ以来「人に尽くす道を」と人生を歩いてきた。さまざまな困難に対して、勇気を出して行動できたことで、強い自分になれたと思う。何よりも地域の方々の協力が得られ、感謝の気持ちでいっぱいだ。 道守くまもと会議との出会いは、さらに人間としての器を大きくしてくれている。道が教えてくれた、素敵な人生の道の歩き方をこれからも堪能したい。そうすれば、小野小町に負けない心の美人にはなれるかも…。
■プロフィール 工藤 明美 熊本県鹿本郡植木町在住。保健、看護、福祉の非常勤講師。火の国ネットワーク小町ウイング代表。植木町環境情報会議委員、植木町まちづくり委員、道守くまもと会議会員。