波瀬ノ浦大橋(国道207号線) |

道の駅「鹿島」の朝焼け |
佐賀県鹿島市を抜け太良町から長崎県へと向かう国道207号。車窓からの景色は南側がずっと有明海。「好きな景色」が見えるから「好きな道」です。通るたびに心がぱっと解き放たれます。海が見える風景に惹かれるのは、福岡県・英彦山麓に生まれ、海のない町で育ったせいかもしれません。
有明海は干満差が大きい。最大6mといわれ、有明海は時に一面干潟、時に満面の海。光り輝くときも、灰色の海のときもある。変化をみせながら、しかし、いつも広く、どこまでも遠く続く。
宝の海・有明海。お薦めの場面は「四つ手網」です。有明海独特の漁法の「四つ手網」は交差させた竹竿に網が張り、その網を4本の柱で支え、縄を使って網を上げ下げして魚を獲る。広い海のなかの人の小さな営み、シンボルが4本の柱と網目。懐かしい、と感じる風景です。一度、間近に網の中の魚を見たいと思っています。
宝の海・有明海。私が207号をよく走るのは、実は、太良町の竹崎地区の蟹を食べに行くからです。国道沿いに蟹を食べさせる店や旅館、ホテルが並んでいます。

干潟よか公園 |
「竹崎かに」はワタリガニですが、おいしいのは有明海の恵。海のプランクトンなどが1日1回あるいは2回、干潟で日光を浴びて良い味、良い餌となって、これを食べる「竹崎かに」がおいしくなるそうです。肉がしっかりしていて、茹でて、刺身やてんぷら、酢物にして、蟹づくし。おまけに一帯は温泉が湧き、海を眺めながらの蟹と温泉三昧。冬なら牡蠣もいい。牡蠣小屋が立ち、とれたてを焼いて食べる。
宝の海・有明海。風景や味を自慢したくて遠来の客があれば国道207号の小さな旅に連れ出すのです。
その魅力が増えています。「道の駅鹿島」に続いて最近、太良町に直売所「たらふく館」ができ、有明海の海の幸や近隣の山の幸、野の幸がいっぱい。長崎県諫早市小長井町の「道路公園」を知ったのも私には新しい魅力の発見です。
道路公園ってなんだろうと思い、車を止めてみました。こんもりした樹木の下の駐車場は2・3台分、ベンチが
2台。座って眺める有明海は運転中の車窓からよりずっと広い。海へ階段が通じ、降りると、砂浜ではなく、すぐに岩だらけの海。眺める有明海から触れる有明海。最近クロースアップされているシーニックバイウエイ―脇道観光、そんな言葉が思い浮かびました。
寄り道で最近発見したのが「海中道路」。太良町にある海へまっすぐ伸びる道。電柱が並び「なぜ?」「どこまで」と側まで行きました。「この先、一般の人は立ち入り禁止」との看板。太良町のホームページにもこの名前で紹介されていて「海中道路」は漁業の施設と分かりました。この道を使って漁具や獲物を運ぶのです。
私の好きな道は、宝の海・有明海沿いを走る国道207号。また魅力を増し、誰かを案内して「佐賀って、いいところでしょう」と言いたくて仕方ないのです。
【プロフィール】
福岡県添田町生まれ。佐賀県小城市在住。三日月町で始めた「おはなし会」の活動をきっかけに、同町図書館の初代館長を3年間務めた後、県立女性・生涯学習センター・アバンセ副館長で県知事特別補佐を務めた。道を研究する会ロードネット佐賀会員、特定非営利法人有明海ぐるりんネット会員、(有)博賀堂薬局薬剤師。