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私の好きな道

【vol.5】 国道328号・峠道 想えば似ている私の人生と

田島 直美

峠道/険しき道も今は微笑みむ道となり

峠道/険しき道も今は微笑みむ道となり

 好きな道・真っ先に浮かぶのは国道328号。私の人生と重なるから─。
今も昔も鹿児島市と出水市など北薩地方を結ぶ地域経済の幹線である。入来町を縦断し、入来麓と呼ばれる伝統的建造物群保存地区や「君が代発祥の地」と伝えられる日の丸地区を通り抜けると入来峠に差し掛かる。一帯は八重山高原である。
35年前、峠はジャリ道で曲がりくねって狭かった。私を乗せたバスはスイスイと走った。が、今にも落ちそう。不安が募り、私は泣き出してしまった。国道328号線との最初の出会いである。   
国道328号・峠道 想えば似ている私の人生と
 4年後、入来町に世帯を持ち、自動車免許を取り、初めて車を向けたのも入来峠だった。峠の難所を越えれば別世界が広がる。東京から来て間もない私の心が唯一和んだ都会、鹿児島市。峠道は、郷愁への入口であり、道は心も運んだのです。
年を重ね、峠を越えなくても心は和む。この地を愛するようになった。自然と親しみ、道を守る活動にも参加している。国道328号、入来峠は懐かしい道だし好きな道、自慢の道でもある。
国立天文台VERA入来観測局

国立天文台VERA入来観測局


入来峠/懐かしい道・好きな道・自慢の道

入来峠/懐かしい道・好きな道・自慢の道

 途中、手入れの行き届いた山茶花500本が咲くロードがある。清浦ダム辺りの春は桜。花見客で賑わい、「夢架け橋」が景観を引き立てる。少し足を延ばし、八重山高原に向け遊歩道を行けば、内之尾棚田が広がり、棚田百選に選ばれた日本の美を楽しめる。これから菜の花の絨毯となる。
小川のせせらぎを聞きながら八重山(標高677m)を登る。中腹に鹿児島大学の牧場があり、牛やトカラ馬が放牧され、遠く東シナ海を、間近に霧島連山を望む。景観は雄大、そして空はもっと大きい。日本に4つしかない国立天文台があって、天文学者たちが天の川銀河の地図づくりを進めている。住民たちは毎年旧暦の七夕に「八重山高原星物語」イベントを開き、星空と一体となって楽しむ。
時は春。満開の桜が運転の疲れを癒してくれるでしょう。私の好きな道、国道328号・入来峠一帯をあなたも訪ねてみませんか。
田島直美

【プロフィール】
東京生まれ。薩摩川内市入来町在住。(株)田島組取締役、入来町女性団体連絡協議会会長、川内川をよくする会会員、八重山高原星物語実行委員会委員長、鹿児島県商工会女性部連合会理事。子供たちが自慢できる故郷づくりや広域的な女性のネットワークを生かし暮らしやすいまちづくりに取り組んでいる。

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