
町道黒内線上赤地区からは棚田が広がる |
宮崎県最北の北川町は、古代より交通の要衝であった。いま、国道10号と326号、JR日豊本線が縦走。とりわけ平成11年に全線開通した国道326号は、宮崎県北と大分・福岡方面を結び、交流・連携の大きな役割りを担っている。
その326号からそれて山に向かう脇道、町道・黒内線を私は毎日、バイクで走る。郵便を配りながら。
まず、地元の窯元「夢境庵」、のぼり窯が目に入る。軒先に並ぶ焼き物は、素朴な色合いで、のんびりとした息遣いを感じさせる。
人家数軒を抜けると棚田、ちょっと見上げるので斜めに広がる、棚田はそんな感じだ。手入れが行き届き、田植え前後、夏の青田、収穫前の黄金色のモザイク模様…どの時期も美しい。日本の原風景、毎日そう思う。棚田再評価の機運の高まりはうれしい。
さらに道をのぼり進むと、大きな岩の間に黒内滝。見上げれば背後に桑原山が迫る。別名八本木、標高1407mのこの山は新緑、紅葉と様々な顔を持つ。

町道黒内線から見た鏡山など北川町の山々 |
山間をさらに進むと今度は山々が眼下に、そして頭上に―。スカイスポーツ基地・鏡山。さらに世界遺産候補地でもあリ、西日本各地から登山客が訪れる大崩山が間近に迫る。雄雄しくそびえ、私を迎え入れてくれる。
終点は「祝子川温泉美人の湯」。大崩山の登山口にゆったりと構え、湯治客の疲れを癒す。
郵便配達をしながら、バイクで、毎日、通る道。四季折々の風が、景色が私の心を癒してくれる。田舎ならではの至福か。道を通いながら日本人の心の原点に出会っているのかもしれない。
【プロフィール】
北川町の道づくりを考える女性の会 会長
宮崎県北川町在住。郵便配達の仕事の傍ら、町内の道づくりに関する活動を行う「北川町の道づくりを考える女性の会」の代表を務める。「道守九州会議」の宮崎県地区世話人。「道守みやざき会議」設立を呼びかけた。