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私の好きな道

【vol.1】 山鹿 歴史の道

中村 幸子

山鹿 歴史の道

 熊本県北部の山鹿市は、菊池川の中流部に位置し、かつて水運と街道の接点として賑わった。泉質に優れた温泉と由緒ある酒蔵がある。近年は某コーヒーメーカーのCMに登場、山鹿灯篭踊りで一躍有名になった。頭にろうそくを灯した紙灯篭を乗せ千人の女性が踊る姿は美しく、幻想的だ。   
物資の集散地であり、街道の宿場町でもあった山鹿には、多くの商人や旅人が集まった。温泉で疲れを癒し、芝居を楽しんだのだろう。芝居小屋・八千代座は本格的に復元され国指定重要文化財となっている。
参勤交代路でもあった。豊前街道と呼ばれる街道筋に江戸時代に建てられた土蔵づくりの一群が残っている。歴史の町並みを現代に生かそうと、若者たちが「米米惣門ツアー」を企画した。惣門とは重要な街道の出入り口のこと。惣門を通って集積した米をキーワードに山鹿に残る酒蔵、米蔵、味噌蔵、そして寺の経蔵などを巡る。
「山鹿を深く知ってもらいたい。案内は月に500人が限界です」と中心メンバーの井口圭祐さん。この活動が、道筋の家並み保存運動にも発展。格子戸、白壁などで統一された家並みを残す動きだ。どう地域の共有財産として残すか、意識の統一は大変だという。だが、家並みへの関心は道の美化にも通じる。
地域の空間は人が創る。歴史を生き抜いた道の景観は地域の宝。そう実感したり、時を超えて考えたりしながら歩ける、山鹿の歴史的な道がわたしは好きだ。いろんな時代の道を楽しもう。

中村幸子

【プロフィール】
熊本生まれ。女性の視点から道づくりを考え様々な道を取材中。九州の宝物を掘りおこして発信を続け、現在情報誌3誌の編集長を務める。

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