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海外道事情
【vol.13】 歩行者専用道路は、幅40メートル! 「人間中心の計画都市」クリチバ市
庭木 香充
ブラジル連邦共和国(通称ブラジル):首都はブラジリア。南アメリカ大陸最大の国土(約851万km2)を持ち、人口は約1億8410万人(世界第5位・2004年)。公用語はポルトガル語。クリチバ市:ブラジル南部で最大の都市、パラナ州の州都。現在の人口は約170万人。標高約940mに位置。17世紀にパラナ地方に築かれた植民都市を起源とする。
ベンチでくつろぐカップルやオープンカフェで憩う家族連れ、大道芸を楽しむ人たち。昨年、視察で訪ねたブラジル・クリチバ市の都心にある「11月15日通り」は、平日の昼間なのに、大勢の人でにぎわっていた。 「花通り」の愛称で親しまれるこの通りは、幅約40メートルの歩行者専用道路。石畳の通りに沿って、しゃれたデザインの街灯が並ぶ。周囲は商業ビルがひしめく市内一番の繁華街だ。クリチバ市が、花通りから車を締め出したのは1972年。夜間のごみ収集車や商品を運ぶ業務用車両以外、すべての車両が進入禁止。市が策定したマスタープランの先駆的取り組みが都心の道路の「歩行者天国」実施であり、その第1号が花通りだった。閉鎖された道路には、通りの美観を向上させ、車両の進入を防止するため、あちこちに花壇を配置。「花通り」の名称の由来となった。 クリチバ市の街づくりには、多くの日系人が携わっている。元クリチバ都市計画研究所(IPPUC)所長のルイス・ハヤカワ氏を訪ねた。ハヤカワ氏によると、市は都心から放射線状に延びる5本の幹線道路に沿って、都市に「軸」を設定。幹線道から離れた地域では建物の容積率を厳しく規制し、高層ビル建設を制限。その結果、幹線道沿線のビル街と、低層の住宅街や緑地がくっきり分離。交通渋滞や事故の危険が少ない住環境と、利便性の高いビジネス・商業空間を同時に実現した。一方、都心では花通りを中心に、複数の歩行者専用道路をネットワーク化。歩いて楽しい、歩行者が主人公の街を整備した。 「街づくりは、人間がすべての標準になる」。ハヤカワ氏はギリシャ哲学の一文を引用して、クリチバ市の取り組みをこう表現した。都心から西側にあるテレビ塔に上った。幹線道路沿いにだけ整然と集まった高層ビル街。計画的な開発に成功した都市の姿が、そこにあった。翻って日本は…、人間中心の都市計画の大切さを痛感した。 ベンチでくつろぐカップルやオープンカフェで憩う家族連れ、大道芸を楽しむ人たち。昨年、視察で訪ねたブラジル・クリチバ市の都心にある「11月15日通り」は、平日の昼間なのに、大勢の人でにぎわっていた。
プロフィール庭木 香充 氏 西日本新聞社地域報道センター記者。大牟田支局、地域報道センター、社会部などを経て2006年から現職。