派手なネオンサインは夜中まで輝き、観光電動車は人混みの中をゆっくりと通り抜けていく。 |
中国人は人がよく集まり、「人気」のある賑やかなところが好きだ。そのため、ここ数年の間に歩行街(歩行者天国)は全国各地で次々と登場し、都心の新しい集客スポットとして脚光を浴びている。首都北京の王府井大街、東北ハルピンの中央大街、内陸長沙の黄興路など…。そのうち最も早く登場しかつ有名なのが、「上海・南京路歩行街」である。
市内を横切る南京路は全長5km、上海を代表するメイン・ストリートで、中国一の繁華街とも呼ばれている。1999年9月、混雑緩和のために黄浦区政府は南京路の東段部分に歩行街を完成させた。河南路から西蔵路まで約1kmの「南京路歩行街」は、そのセンターラインが深紅花崗岩敷きで「金の帯」の模様に見え、その上に花壇、椅子、電話ボックス、新聞雑誌販売ボックスと彫刻等が設置されている。道幅はだいたい20〜28m、一般車は終日通行禁止だが、南側に幅7mの観光用車道が特別に設けられ、カラフルな電動車だけが徐行を許されている。
歩行街の北側には中国の有名デパートや老舗が昔の雄姿で肩を並べ、イトキンやユニクロなどの日系企業も点在する。南側は老朽化した古い建物に代わって、香港資本や温洲商人の新しい高層ビルが建ち並ぶ。喧噪な歩行街を挟んで、新旧上海は派手な看板とネオンサインで日夜つながっている。
歩行街の中段には広さ880m2もある世紀広場が設けられ、中央の露天舞台はファッションショーやコンサートに利用できるようになっている。買物だけでなく、観光、ビジネス、展示、文化といった機能を一体化した歩行街づくりが行われているようである。
南京路歩行街は現在毎日100万人に上る人々が訪れている。外国人観光客はここで中国的イメージを確認し、中国の地方出身者はここで海外先端ファッションを体感する。また地元上海人もオールドシャンハイを追憶するために時々ここに散策しに来る。
躍動する上海を代表するもう一つの「顔」として、南京路歩行街は訪れる人々に明日への希望と活力を与え続けている。
歩行者天国入口、江沢民氏が揮毫した石碑の前で記念写真を取る人は途絶えない。 |
地方出身者は多く、何となく一昔前の中国的な雰囲気を感じ取ることもできる。 |
財団法人福岡アジア都市研究所
主任研究員 唐寅氏
プロフィール
1963年中国上海生まれ。86年九州大学教育学部卒業。94年九州大学にて博士号取得。九大教育学部助手、(財)アジア太平洋センター・プログラムオフィサーを経て、04年4月より現職。専門分野は教育行政(教育政策)、東アジア地域研究(中国)。