10月にシーニックバイウェイについてアメリカへ調査に行きました。シーニックとは景観、バイウェイとは、地域と関わりを持たず車が通り過ぎてしまうハイウェイに対する言葉で、脇道を表します。シーニックバイウェイとは、景観や文化、歴史、レクレーションなどの地域の良さを、その地域のバイウェイを通じて体験してもらおうという施策です。
アメリカでは、連邦道路庁により89年より始められ、日本でも北海道で本格的な施策としてスタートしております。九州でも道守九州会議と合同で、各地でセミナーや勉強会が開かれている新しい施策です。
この出張は9日間の行程で、ワシントンの連邦道路庁訪問、アメリカ中のシーニックバイウェイ担当者が一同に会して開催される「全米シーニックバイウェイ会議」への参加、それとグランドラウンドシーニックバイウェイ(ミネソタ州ミネアポリス)の現地調査を行いました。
ミネソタ州ミネアポリスのグランドラウンドシーニックバイウェイ |
連邦・州の担当者、リソースセンター(専門家派遣などを通じて地域を支援)や地域の観光協会等の人達といろいろな席で話をしましたが、皆、自分の担当地域の良さにプライドを持っており、その価値を高めるモチベーションが非常に高いことに印象を受けました。
また、連邦や州の担当者の多くが、地域のもつ価値をいかに高め、旅行者に知らしめるかというマーケッティングの側面を強調しておりました。実際、全米シーニックバイウェイ会議の展示ブースでは、美しい写真と旅行者行程案、見所を分かりやすくまとめたパンフや紹介用のビデオが多数紹介されていました。
州の担当者や観光関係者、NPO等の地域の方々のバイタリティが個々のシーニックバイウェイを動かしているように思われます。
ただ、施策を推進する、というような堅苦しさは全くなく、皆、気取らず自然にシーニックバイウェイを楽しんでいるようです。また、しつこく質問するわれわれにずっと笑顔で親切に応対してくれるのも助かりました。連携、情報の発信、楽しむ姿勢、笑顔、親切、こういったものが見えないインフラとしてシーニックバイウェイを支えているのかもしれません。
「キオスク」と呼ばれる案内施設(グランドラウンドシーニックバイウェイ) |
各シーニックバイウェイの紹介パンフレット |
シーニックバイウェイの案内施設(グランドラウンドシーニックバイウェイ) |
奥村 康博 氏
プロフィール
九州地方整備局道路調査官。道路局地方道・環境課課長補佐、鹿児島国道事務所長の後、2004年4月より現職。